私は以前こちらの記事で独自の計算方法を用い、

ゴーレムのおティンティンの大きさを導いた。

これは学会に発表されると同時に全世界に発信され、

一躍私は時の人となった。

街を歩けば私を見るなり

『おティンティンの人だ!』

と指を差される毎日。

ワイドショーにも引っ張りだこで、

私をテレビで見ない日はない程に有名になった。

徹子の部屋にも呼ばれレギュラー番組14本を抱える

売れっ子ものとなった私は、高級マンションを買い

夜な夜な芸能人たちと宴を行う毎日を過ごしていた。

おティンティンドリームを手にしたのである。


しかし、幸せな時間はそんなにも続かなかった。

始まりがあれば終わりがあるもので、

次第に世間の私の需要はなくなっていき、

私をテレビで見る機会は次第に減っていった。

そしてレギュラー番組が0になり、

残ったものは大量の借金。

私は借金を返すために毎日バイトの日々を過ごすこととなった。


朝は新聞配達、昼はフェミレス、夜はコンビニ。

寝る時間を惜しんでは働く毎日だった。

そんなある日のこと。

季節は冬。

私はファミレスのバイトを終え、次のバイト先へ向かう途中の駅のホームにいた。

時間は夕方の18時頃で、

会社帰りのスーツを着たサラリーマンたちで駅はにぎわっていた。

雪がちらつき、自然と自分の吐く息が白かった。

そういえば、朝のニュースで今年一番の寒さって言ってたっけ・・・

ポッケに手を突っ込んだまま物思いにふけ、

私はバイト先へ向かう為、駅の階段を下りていた。

すると前から猛スピードで走ってくる女性が。

その女性の後ろには黒いスーツ、黒いサングラスをかけた大柄な男性2人が彼女の後を追っていた。


『おい!待て!てめぇ!それを返せ!』


大柄な男性が走ってくる彼女に対して大声で言葉をかけるが、

彼女はそれを一切無視をして走る。

しかし彼女は前方をよく見ていないらしく、

階段を下りていた私に勢いよくぶつかり、

ぶつかると同時に彼女が持っていた紙の束が宙にまった。

彼女と私は階段から勢いよく転げ落ち、

彼女の方は大柄な男に腕を掴まれ、

逃げれないように拘束された。


『やだ!離して!私はこれをあの人に届けないといけないの!』

『うるせえ!じっとしてろ!これさえあれば世界は俺らのものだ!グヘヘヘヘ』


私は偶然目の前に落ちた紙に目をやった。

紙にはこう書いていた。


【ゴーレムのおティンティンの計算方法】


私は目を疑った。

借金まみれになり、これらの資料はすべて処分されたはず・・・。

何故ここに処分したはずのものが・・・。


『あなたたちがこれを使ってアトラスのおティンティンを計算して、
 世界征服をたくらんでいるのは知ってるんだから!!』


『うるせえ!おい、兄ちゃん痛い目あいたくなかったら手元にある紙を俺に渡しな!』


もう、おティンティンとは関係ないんだ俺は・・・。

世界がどうなろうたって俺には関係ない・・・。

私はその紙を大柄の男に渡そうと、右手を差し出した。


『やめて!それを持って逃げて!そしてそれをあの人に渡して!』
『おティンティンは・・・・!』
『おティンティンは・・・・!』





『みんなのものだから!』








その言葉を聞いた私は差し出す右手を止めた。


『おい!はやくしろ!さもなければ、痛い目みるぞ!』


大柄な男は私を威嚇するように指を鳴らし、ゆっくり私に近づいてきた。









『私独自の計算方法でいうと、人間の身長に対して約8.09%の長さがおティンティンの長さである。』




『おい!何言ってるんだこいつ?頭でも狂ったか?』

『いいから早くそれを渡しな兄ちゃん!』




大柄な男が一歩一歩ゆっくり近づいてくる。

しかし、私はそんなことも気にせずゆっくりと続ける。




『これをアトラスに当てはめるためには、まずアトラスの身長を求めなければならない』

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『こちらの画像を見て頂きたい。
独自のルートで入手した画像だが、
約1.8うめーなでちょうどアトラスの身長分だとわかる。』

『1うめーなを日本人の平均身長171.65cmとすると、
 171.65×1.8で308.97となる。
 これがアトラスの身長としよう』






『おい!てめえまさか・・・あの伝説の・・・・』

『え・・・まさか、もしかしてあの伝説のう・・・めー・・・・な・・・さん・・・』



『お嬢さんもう大丈夫。君と世界は僕が守る。さーて、続きだ。』


『アトラスの身長308.97cmに対して8.09%はというと・・・』










『や・・・やめろ・・・!それ以上は言うな!』












24.995673cm!これがアトラスのおティンティンの大きさだ!』





『う・・・うわああぁぁぁぁぁ!』

大柄な男は大きな光を発し消えていった。



『夢みたい・・・まさかあのうめーなさんに会えるなんて・・・』

『夢じゃない、真実だ。また俺をこの場に戻してくれてありがとう。』

『君のおかげで思い出したよ・・・おティンティンへの情熱を・・・』


夕方から降りだした雪は地面を真っ白く染めていた。

私はそっと彼女を抱き寄せ、
真っ白いキャンパスに足跡を付けながら
一緒にバイト先のコンビニへ向かっていった。


~Fin~



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